岡山県内では学校の統廃合が進んでおり、過疎地では小中学校が廃校になっています。
廃校とは自治体財政の削減や児童数の減少のために学校の統廃合や閉校を行うことです。
たった1人の卒業式、廃校控えた小学校で 岡山・備前
出典:産経新聞
岡山県備前市の過疎が目立つ山間部で17日、今年度で廃校となる市立三国小学校(児童数3人)と神根小(同12人)で、1人だけの卒業式が行われた。
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学校の統廃合が進む県内では、今年度限りで計7校が廃校になる。
「小学校の近くに家を買って移住したが、3年後には廃校になるそうだ・・・」
そんなことにならないよう、子育て世帯で岡山県へ移住・定住される方は、地域の学校が廃校になるリスクについて知って欲しい思います。
平成28年度 岡山県学校基本統計より
出典:平成28年度 岡山県学校基本統計
岡山県内の小学校:
学校数は、403 校で、前年度より7校減少している。
廃止 7 校 -井原市立川相小学校、井原市立共和小学校、高梁市立西山小学校、新見市立正田小学校、備前市立日生南小学校、真庭市立阿口小学校、美作市立梶並小学校
学級数は、4,743 学級で、前年度より 3 学級減少している。 児童数は、102,067 人(男 52,856 人、女 49,211 人)で、前年度より 1,014 人減少している。
岡山県内の中学校:
学校数は 165 校で、前年度より 5 校減少している。
廃止 5校 - 新見市立神郷中学校、真庭市立美甘中学校、鏡野町立奥津中学校、 鏡野町立富中学校、鏡野町立上斎原中学校
学級数は 2,016 学級で、前年度より 34 学級減少している。
生徒数は、54,015 人(男 27,514 人、女 26,501 人)で、前年度より 1,117 人減少している。
岡山県内の高等学校:
学校数は、86 校(公立 63 校、私立 23 校)で、前年度と同数であった。
生徒数は、54,851 人(男 27,818 人、女 27,033 人)で、前年度より 56 人減少している。
子どもの通学をどうする?
もしも居住地域の小中学校が廃校になって他の学校へ通うことになった場合、養育者の負担になるのが「子どもの通学」の問題です。
徒歩圏内に小中学校があったとしても、数キロの道のりを片道1時間以上かけて通うようなことになれば、次のような問題が考えられます。
遠距離通学の問題
- 交通事故のリスク増
- 不審者との遭遇リスク増
- イノシシやマムシなどの遭遇リスク増
- 風邪や熱中症などのリスク増
- 習い事に通えない
- 部活動に参加できない
- 宿題をする時間がない
- 大雨、積雪などの際は送迎が必要
徒歩で通学できない場合は公共交通機関を利用するか、車での送迎が必要になります。
まず、公共交通機関ですが、小中学校が廃校になるような地域では電車やバスの本数が極めて少ないという現実があります。
バス便が朝夕2本だけという過疎地域ですと、下校時刻が早い日やバスに乗り遅れた場合は、誰かが学校まで車で迎えにいかねばなりません。
公共交通機関で通学する場合は月々の乗車料金、車で送迎する場合は登下校で往復2回分のガソリ代がかかりますし、高速道路を利用して親が中学校へ送迎しているという例も聞いたことがあります。
ご主人が通勤でマイカーを使用する場合は、学校の送迎用に2台目の購入が必要になるかもしれません。
さらに妻が車で子どもを送迎する場合は、時間の制約により仕事先を見つけるのが困難になります。
子どもが成長して高校受験の志望校を検討する時期になると、通学の問題はさらに深刻になります。
過疎地では高校の選択肢が乏しく、進学校に通いたい場合や得意の部活動で活躍できる高校に進学しようとすれば、遠方への通学が不可欠です。
部活動の早朝練習のため始発電車で通うとなると、親は何時に起きて弁当を作ることになるでしょうか?
また、「バスと電車の両方を利用して通学する場合の交通費の負担が重い」「家で勉強できる時間がない」など、場合によっては寮に入ることも検討せざるをえません。
子どもの通学や学生生活のことで後悔しないように、高校卒業までを見据えて移住前に次のことを考えておきましょう。
- □移住候補地で学校の統廃合の計画はあるか?(小中高)
- □各学校までの通学時間(小中高)
- □各学校までの通学手段(小中高)
- □各学校までの通学費用(小中高)
- □1日2往復のガソリン代(車で送迎の場合)
- □誰が送迎するのか?(車で送迎の場合)
- □どの高校を進学の候補にするか?
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※私立高校では、ごく一部の少人数クラスで偏差値を上げていると思われる学校があるため、人数等をよく確認してください。
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