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岡山県の災害リスクまとめ

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移住満足度アンケート

岡山県と災害

はじめに

かなり昔の話です。とある学校で社会の先生が黒板に見事な日本地図を描いて、岡山県の位置を指して誇らしげに言いました。

「わしらの岡山県は、天然の要塞に守られとるんじゃ」
そして、チョークを横倒しにして九州、四国、中国地方の山脈を勢いよく書き加えていきました。

「南からの風は九州山地と四国山地が防いでくれる。そして北西の風は中国山地が防いでくれる!
こがんにええ(こんなに良い)立地は、全国でも岡山だけなんど。はっはっはっ(笑)」


当時、先生がおっしゃっていたとおり、災害の少ない岡山県あって欲しいと願います。

岡山移住ガイド




地震と岡山県

岡山県内にある地震断層は、北東部から兵庫県にかけて分布する山崎断層帯のみで、30年以内にM7.3〜7.7程度の地震が発生する確率は、0.06%〜1%程度と言われています。(図)
移住ガイドがごこ数年で体に大きな揺れを感じた地震は、芸予地震、鳥取県西部地震、阪神・淡路大震災の3回くらいです。

この記事の後、平成28年10月21日に鳥取県を中心にした最大震度6弱の地震がありました。
岡山県では北部で震度5強、南部で震度4の揺れが観測されました。
移住ガイドは南部の自宅で仕事中でしたが、大きな揺れを感じたものの、物が落ちるなどの被害はありませんでした。電車のダイヤが乱れて子どもの帰宅が30分ほど遅れました。

芸予地震 平成13年 岡山県の北部で震度4、南部で震度3
鳥取県西部地震 平成12年 岡山県の北部で震度5強、南部で震度5弱
阪神・淡路大震災 平成7年 岡山市の震度4

小学校などでは地震の時に机の下に身を隠す避難訓練を行いますが、地震で実践するようなことはめったにありません。現在、被害が懸念されている「東南海地震」については後述します。

2018/04/09 未明に島根県西部で地震があり、岡山県南部でも強い揺れを感じました。県下では震度3が多かったですが、一部で震度4のところもあったようです。




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台風と岡山県

岡山県は台風の上陸や接近が少なく、直撃の場合でも陸路の通過で水蒸気が供給できず、勢力が大幅に衰えていることが多いです。
平成になってからの岡山県の主な台風被害は、下記のとおりです。

台風9号 平成21年8月 死者1名 負傷者4名
台風14号 平成17年9月 死者1名 負傷者15名
台風23号 平成16年10月 死者7名 負傷者34名
台風16号 平成16年8月 死者1名 負傷者16名
台風10号 平成15年8月 死者1名 負傷者3名
台風10号 平成10年10月 死者5名 負傷者27名
台風19号 平成2年9月 死者10名 負傷者10名

平成28年は9月〜10月に3度ほど台風の準備で庭の植木鉢を密集させたり、軽いものが風で飛ばされないようにしましたが、いずれも途中で進路が変わり、自宅の雨戸を締めることもありませんでした。


平成29年8月7日、ノロノロ台風5号(Noruノルー)が岡山に接近しているので、警報が出ているかと思ったら、岡山だけが注意報で驚きました。

その後、台風が接近すると岡山県内の一部で警報が出されて全域で大雨となりました。鏡野町で道路が崩落し、笠岡市では倒木で停電が発生するなど局地的な被害がありました。


火山と岡山県

日本には110の活火山があると言われているが、中国、四国地方にはほとんどありません。
岡山から最も近い火山は島根県の三瓶山(さんべさん)で、岡山市中心部までの直線距離は約130キロメートルです。火山としては活動度が低いランクCに分類されており、現時点では監視・観測体制の充実が必要な火山(47火山)に含まれていません。

日本の火山





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原発と岡山県

原発と岡山県

東日本大震災、原発事故の後は、原発から遠い場所で安全な暮らしを求めて岡山を移住先に選ぶ人が急増しました。

岡山理科大学の「岡山県内避難者の定住意向の研究」によると、2014年9月時点で岡山県への避難者は1000人を越えており、西日本各都道府県の中で最多となりました。
その理由は、岡山の近くに原子力発電所がないことが理由のようです。

東日本大震災の原発事故では、原発から半径20キロ圏からの住民の避難、20~30キロ圏に屋内退避の指示が出ました。
岡山市から100キロ圏内に原発はなく、最も近い中国電力「島根原子力発電所」は150キロ圏内にありますが、間に中国山地があるため、万一の場合でも放射性物質が届きにくいといわれます。

岡山県鏡野町にウラン加工施設「人形峠環境技術センター」では、2001年までに運転を終えており、ウラン濃縮関連施設や鉱山関連施設の廃止措置、廃止措置関連技術開発等が行われています。
平成27年度 岡山県原子力防災訓練 実施要領


南海トラフ巨大地震と岡山県

「東海」「東南海」「南海」が3連動する南海トラフ巨大地震の発生が危惧されています。2013年3月に公表された有識者会議の想定による被害予想では、岡山県での死者は1,200人、全壊建物は3万4千棟です。

建物被害想定

出典:朝日新聞デジタルより
http://www.asahi.com/special/nankai_trough/

震度分布図【岡山県想定】を見ると、県南部の平野部で震度6弱が多く、局地的に震度6強の地域もあります。
また、同じく県の南部には、液状化危険度は極めて高いとされるスポットが広域に点在しています。これは、江戸時代の新田開発や70年代以降の工場地帯の造成など海を埋め立て地が多いことが原因です。
これから岡山県へ移住される方は、被害が少ない地域を見極めて定住しましょう。

南海トラフ巨大地震による震度分布図・液状化危険度分布図について(岡山県)
岡山平野の干拓年代図(水土の礎)

地震時の津波に関しては、四国によって阻まれることにより直接の被害は少ないと思われます。 岡山県の津波浸水想定(最大クラスの津波が悪条件下で発生した場合に想定される浸水の区域及び水深)によると各地の津波高は下記のように予測されています。

最大津波高(m)平均津波高(m)
岡山市(中区)1.8 1.7
岡山市 (東区)2.52.1
岡山市 (南区)2.61.9
倉敷市3.22.8
玉野市2.82.6
笠岡市3.22.9
備前市2.92.2
瀬戸内市2.82.3
浅口市2.82.8

岡山県津波浸水想定について(岡山県)





雪害と岡山県

岡山県の北部では積雪があります。 2000年から2016年までの過去の積雪データは「津山」「真庭市蒜山上長田」では以下のとおりです。 真庭市蒜山では、積雪が1メートル以上になることもあります。

津山と蒜山の積雪
参照 気象庁 過去の気象データ検索

道路に設置されたカメラからリアルタイムに映像を確認できるサイト。

岡山県冬期道路気象情報システム

岡山県冬期道路気象情報システム
2016年12〜2017年2月までニュースで報道された雪害には次のようなものがあります。

岡山県内「雪害」の備えは万全か 北部では転落死や大渋滞発生も

1月中旬以降、北部を中心に記録的な大雪に見舞われた岡山県内。最大積雪量が100センチを超えた真庭市では、除雪作業中とみられる男女2人が相次ぎ亡くなった。県の災害年報によると、大雪に伴う死者は2008年以来。

(2017年02月01日 山陽新聞)

岡山県北中心に大雪 交通機関乱れ

強い寒気の影響で岡山県内は24日、前日に続き中国山地沿いを中心に断続的に雪が降った。午後9時までの最大積雪量は真庭市蒜山上長田129センチ、新見市千屋で1月の観測史上最も多い88センチに達した。北部を中心に道路、鉄道など交通機関が乱れ、スリップ事故も相次いだ。

(2017年01月24日 47NEWS)

水害と岡山県

「晴れの国」岡山県では降雨量が少なく、旭川、高梁川、吉井川の三大河川によって豊かな水源を有しています。
しかし、大雨による水害に弱いという一面も持っています。 歴史で有名な話では、天正10年に羽柴秀吉が水攻めで包囲した城は、備中国高松城(岡山市北区高松)でした。

岡山市中心部には、あちこちに用水路が張り巡らされており、増水すれば道路との境がなくなる箇所も多いです。用水路との間に境界がないところもあり、転落事故は後を絶ちません。

平成25~27年の3年間に、用水路転落事故に関する消防の出動件数は1143件で、死者は79人になるそうです。
高齢者や幼児、児童がいる家庭は、移住の下見では、近所の用水路の様子などもチェックしておいたほうがいいでしょう。


岡山県では平成に入り3回の大規模な水害に見舞われています。

平成30年6月(西日本豪雨)

6月28日から7月8日頃にかけて、西日本を中心に広い範囲で記録された台風7号および梅雨前線等の影響による集中豪雨。死者61人、行方不明者3人。倉敷市真備町で小田川と支流の高馬川の堤防が決壊し広範囲が冠水。浸水範囲は真備町の4分の1にあたる1200ヘクタールに及んだ。
出典:wikipedia/平成30年7月豪雨

関連頁:「水害は恐てー!」2018年 西日本豪雨災害の記録


平成10年10月(台風10号)

死者4名、行方不明者1名、負傷者15名、全壊11世帯、半壊・一部損壊122世帯、床上浸水2,175世帯、床下浸水2,810世帯。
出典:岡山県土木部防災砂防課/平成10年10月集中豪雨にかかる災害

平成2年9月(台風19号)

平成2年9月12日から20日にかけて、秋雨前線の活動と台風19号による集中豪雨により、県南東部を中心に、死者10名、全半壊46世帯、床上・床下浸水7,967世帯もの被害が発生した。県内のがけ崩れ等による被害は、死者8名、負傷者8名、全壊8戸、半壊3戸、半壊・一部破損2戸、一部破損47戸に達した。
出典:岡山県土木部防災砂防課/平成2年9月台風19号にかかる災害

特に近年増加しているゲリラ豪雨による、洪水、浸水、がけ崩れなどの注意が必要です。
2016年8月15日の午後に突然1時間に41ミリの大雨が降り、浸水や道路の冠水、列車の遅れなどが出ました。
JR西日本では帰宅できない人のために岡山駅構内に「列車ホテル」を設け400人が宿泊しました。
また、同月26日には台風10号による大雨で浸水や道路の冠水がありました。

自然災害が少ない岡山ですが、移住の候補地を選ぶ際には特に水害のリスクを考慮してください。





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岡山県の災害準備

BCP(事業継続計画/Business continuity planning)とは、自然災害などの緊急事態の発生時に損害を最小限に抑えて早期復旧を行うために、平常時から備えておく計画のことです。
この計画の策定が岡山県内で進んでおらず、都道府県別で全国ワースト3位となっているようです。
2016年4月の時点で岡山県下27市町村のうち、計画済みなのは「岡山市」「新庄村」の2市町村のみで、策定率は7.4%。 ちなみに1位は、お隣の鳥取県で策定率は100%だそうです。

「自然災害が少ないから安全です」ではなく、「もともと自然災害は少ないのですが、万一の準備も万全です」と言えるような体制を早期に築いて欲しいと思います。

岡山県内自治体BCP策定進まず 巨大地震備え早期の整備急務(山陽新聞)
総務省の調査によると、岡山県内では倉敷市など8市町が16年度中、津山市など7市町が17年度中に整備する予定だ。残る10市町村は18年度以降になる見込みで、各自治体は「地震以外にも台風や土砂災害などさまざまな災害がある中、どこに重点を置くべきか悩ましい」(笠岡市)、「いざ整備するとなると、防災担当に限らずあらゆる部署に関係してくるため、すぐには難しい」(早島町)といった理由を挙げる。
 県は昨年6、9月、市町村の防災担当職員らを対象にしたBCPの研修会を開き、計画に盛り込むべき要素や手順を説明した。今後も「整備を進める過程で課題が生じた際に適切なアドバイスを行い、策定を促したい」(危機管理課)とする。

山陽新聞

関連頁

GIS

安全な移住地の情報収集はGISで。

震度分布図、液状化危険度分布図、津波浸水想定図、土砂災害警戒区域・特別警戒区域情報など「地理情報システム(GIS)」で一目瞭然。






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