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転校生といじめ問題

  • 原発避難のいじめ報道
  • 岡山県内で認知された「いじめの件数」
  • 転校生といじめ
  • 転校生いじめの予防
  • いじめの早期発見
  • いじめの早期対処
  • 安心して家族で岡山県へ移住できる支援策を

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移住満足度アンケート

転校生いじめ

原発避難のいじめ報道

2016年11月、原発事故で福島から横浜市に移住した男子生徒が、転校先で小学2年生から6年生までの間、いじめを受けて不登校になっていたニュースが話題になりました。
いじめの内容は

  • ランドセルを引っ張られた。
  • 名前に「菌」をつけて呼ばれた。
  • 「プロレスごっこ」で暴力を振るわれた。
  • ゲームセンターで遊ぶお金や食事代を支払わされたなど。

男子生徒が友人に支払った総額は約150万円に上るそうで、自身の手記には「ただこわくてしょうがなかった」「ばいしょう金あるだろと言われ」などと書き留められていました。


東京都千代田区の区立中学校では、原発事故のため福島県から自主避難してきたる生徒が「避難者とばらすよ」などと言われ、同学年の3人にお菓子など計約1万円分をおごっていたことが報道されました。
生徒は小学校のときから「菌」「福島さん」といじめられてきたそうです。

報道された原発いじめは、首都圏で発生したごく稀なケースでしょうか? 
とてもそうは思えません。
原発避難に限らず「転校生といじめ」の問題は、親子で移住する人にとって最も大きな不安になりうると思います。


岡山県内で認知された「いじめの件数」

問題行動調査 いじめ412件増、1485件 「冷やかし、悪口」が半数超 /岡山 文部科学省が27日発表した、児童・生徒の問題行動に関する調査結果で、2015年度に県内で認知されたいじめの件数は計1485件で、前年度から412件増加した。

いじめの形態で最も多いのは「冷やかし、悪口」で823件(全体の55・4%)。次いで、「軽くぶつかる、蹴られる」が370件(同24・9%)、「仲間はずれ、無視」が224件(同15・1%)--などが続く。
 学校別では、小学校641件▽中学校493件▽高校310件▽特別支援学校41件。いじめの解消率は97・4で、全国平均97・8%よりやや低かった。

毎日新聞2016年10月28日 地方版

前年比から412件の増加は、いじめが増えたように見えますが、岡山県の教育委員会では「積極的にいじめを認知しようと心がけたことが、件数増につながった」と調査結果を前向きに捉えているようです。
認知することによって、いじめが減少しているといいのですが。


転校生といじめ

転校生は以前から「いじめの標的になりやすい」と言われています。都市部とは対照的に地方では転校生は珍しい存在なのです。
移住ガイドが暮らす岡山市南区で、子どもが小学校の頃(2年前まで)は、1学年70名程度で2クラスでしたが、6年間で転校してきた子どもは2人〜3人でした。
岡山県下で1学年1クラスの学校では、転校生が数年に1人の場合もあるでしょう。

当時、子どもから聞いた転校生の話を思い出すと、他県から来たことで最初は注目されて話題になり、あれこれ親切に世話をやいてくれる子どもが現れますが、優しかったのは数日だけでした。 転校生の話し方が自分たち(岡山弁)とは違うので、独特の話し方を真似てからかう男子もいたそうです。

また、転校生が「以前にいた学校の方が勉強のレベルが高い」と言ったという噂が広がり、生意気だという雰囲気が漂った時期もありました。
けれども、転校生の子は性格が明るくて社交性があったことから友だちも増えていき、自然にクラスに馴染んでいったそうです。

この転校生が深刻ないじめに遭わなかったのは、クラスにいじめっ子がいなかった(全体の雰囲気が良かった)こと、そして本人のコミュニケーション能力、学力、運動能力が高かったことなど幸いしたようです。

もし、クラスにいじめっ子がいて、本人が引っ込み思案な性格だったなら、転校生いじめに発展していたかもしれません。


転校生は、なぜ「いじめの標的になりやすい」のでしょうか?
その理由として次の2つが考えられます。
クラスで目立つこと
転校生は好奇心の目で見られ、容姿、態度、学力、運動能力、社交性などを同級生から一斉に評価されます。
転校生ということで親切にされるのを見ると「不公平」だと感じたり、皆から注目されることを「生意気」だと捉える人もおり、それがいじめの動機になることがあります。
みんなと違うこと
いじめは、みんなとは違うところに興味を持たれることが原因で始まることが多いようです。話し方や考え方、クラスのみんなが知っているのに知らないこと、みんなができるのにできないことなど、「違う」ことが理由で仲間に入れてもらえないことがあります。
親としては「早く仲のいい友だちができて欲しい。。。」と思う気持ちは当然だと思いますが、子どものことを考えるなら「もう友だちはできた?」などと頻繁に聞いて、友だちづくりを急かさない方がいいでしょう。 なぜなら、性格に問題があってクラスで孤立している子が、積極的に転校生に接触してきて、その子と親しくなってからのトラブルが原因でいじめに発展するケースもあるからです。

いじめの実態

  • クラスの子が口を聞いてくれない。
  • グループから無視される。
  • 「来るな」と仲間はずれにされる。
  • 悪口を言われる。
  • どのグループにも入れない。
  • 「ウザい」「キモイ」などキツイ言葉を浴びせられる。
  • 殴る、蹴るなどの暴力を受ける。
  • 容姿、言葉、態度をからかわれる。
  • モノを隠す、落書きをされるなどの嫌がらせをされる。
  • 持ち物がなくなる。
  • 根も葉もない噂を流される。
  • 言いがかりをつけられ、謝罪を要求される。
  • 使い走りにされる。
  • 無理なことを強要される。
  • お金やモノを要求される。

このようないじめを、無くすことができればいいのですが、現状では根絶が難しいと言えます。転校生のためにできることは、インフルエンザの対策と同様に「予防」「早期発見」「早期対処」です。

いじめ

転校生いじめの予防

  • 移住先を検討する際に、学校の様子をよく見ておく。
  • 近所の人に学校の評判を聞いてから移住を決める。
  • 転校先の学校の授業の進み具合を把握する。(教科書が違う場合など)
  • 服装、髪型など清潔な印象にする。
  • 人が嫉妬するようなモノ(派手な文具など)を持たせない。
  • 方言(岡山弁)や風習に慣れさせる。

関連頁:移住者のための岡山弁ガイド


転校生いじめの早期発見

移住後にしばらくしてから「子どもの様子がおかしいな」と思ったら、学校での様子を疑ってください。ここでは、子どもを問いただすような聞き方をしない気配りが必要です。

  • 急に学校や友だちの話をしなくなった。
  • 学校へ行きたくないと言うことが増えた。
  • 頭痛、腹痛などを理由に欠席が増えた。
  • 人の顔色を伺うようになった。
  • 制服や体操服などの汚れが増えた。
  • 持ち物を破損したり、なくすことが増えた。
  • お金の使いみちを話したがらない。
  • 教科書やノートに他人の落書きがある。
  • 慢性的に食欲がなく睡眠不足。
  • 電話やメール等に怯えている気がする。
  • 打撲、擦り傷などが増えた。
  • いつもうつむき加減で、目を合わそうとしない。
  • メールやLINEで友人に呼び出されることが増えた。

転校生いじめの早期対処

  • いつでも相談に乗る雰囲気をつくる。
  • いじめの被害の詳細を記録に残す。
  • 担任の先生に学校での様子を聞く。
  • 第三者に相談する。

いじめの相談先

子どもの人権110番
「いじめ」や体罰、不登校や親による虐待などの解決に導くための相談を受け付ける専用相談電話。子どもだけでなく大人もご利用可能。電話は最寄りの法務局・地方法務局につながり、相談は法務局職員又は人権擁護委員。相談は無料(インターネットでも相談を受付)。
24時間子供SOSダイヤル
子供たちが全国どこからでも、夜間・休日を含めて、いつでもいじめやその他のSOSをより簡単に相談することができるよう、全都道府県及び指定都市教育委員会で実施。
チャイルドライン
18歳までの子どものための相談先。児童・青少年に電話でのカウンセリングを行う慈善活動。

安心して家族で岡山県へ移住できる支援策を

岡山県の子育て支援ランキング のページで紹介しているように現在、岡山県の市町村が実施している子育て支援は補助金、支援金(品)などの経済支援が中心です。

そのほかに移住者の「転校生いじめ」への不安を解消するために、何ができるでしょうか?

岡山移住ガイド.jpが実現して欲しいと思うのは、ソフト面での支援策。例えば、転校生本人と親への精神的なサポート支援です。

転校生いじめの早期発見、早期対処の例を紹介しましたが、子どもは学校でいじめに遭ったとしても、それを親に知られたくないと思うことが多いようです。
それには、自分自身のプライドや、親に心配をかけたくない気持ち、親や教師に話すことで被害が拡大する不安などがあります。
また、自分自身が「いじめに遭っている」ことを否定したいのに、いじめの電話相談をすることには無理があります。

そこで、移住家族へのアフターフォローとして、市町村から委任された相談員が定期的に移住者の自宅を訪問してはいかがでしょうか?
「相談しないなら、問題はなかったことにする」ではなく、「自分から無理せずに話せるきっかけを作ってあげる」という意識で転校生のいじめを早期発見することで、早期対処への助言ができる可能性があります。

親でも教師でもない第三者が、学校や教育委員会のパイプ役になってくれたら、きっと両親も心強いと思います。

そのほかに市町村がいじめの問題に取り組む独自施策を「いじめゼロ宣言」のように公表するのも良いと思います。ソフト面での子育て支援は全国でも珍しいので、移住者から注目してもらえると思います。
岡山県へ移住したい家族が安心できる「ソフト面での支援策」が早期実現されることを期待しています。



県いじめ問題対策連絡協議会の報告

(2017/03/11)
岡山県教育委員会の「県いじめ問題対策連絡協議会」の報告によると、2016年の12月に行った調査によると、「震災いじめ」として報道されているような「いじめ」は、岡山では確認されなかったそうです。
震災によって移住されて来る人が多い県だけに注目されていますが、ひとまずほっとしました。

岡山県内公立に震災いじめなし 県教委報告、124人に聞き取り
東京電力福島第1原発事故、東日本大震災に起因するいじめが全国で相次いでいる問題で、県教委と岡山市教委は10日、岡山県内の公立学校園で「震災いじめ」は確認されなかったと明らかにした。
県教委は、県いじめ問題対策連絡協議会の会合で報告した。県内(政令指定都市の岡山市を除く)の学校園が昨年12月、東日本から避難している124人に聞き取り調査をした結果、いじめやからかいはなかったという。

出典:2017年03月10日 山陽新聞


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関連頁:岡山県のいじめ認知件数

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